晴れときどき猫

~ 平成街道貧脚浪漫譚 ~

山吹色の車体

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購入してすぐの頃の姿。
頭の中では黄色に赤いバーテープパンターニを思っていたが、今改めて見るとマクドナルド。

3月に会社を変えて以来、古い会社共々同僚との付き合いも落ち着きつつあり、自分の時間が持てるようになってきた。
正直、仕事では業界の片隅でこれ以上名を上げても良い事はないだろうと思い、息抜きの趣味を探して自転車弄りに没頭していた事だった。

8月1日
通勤中にどうやらバーエンドキャップを落としてしまったらしい。
仕事上がり暇だったので、ここのところ通っていたロードショップへエンドキャップを買いに足を運んでみた。
今日も、外にも溢れるほど自転車が止められている。
その自転車を眺めていると一台だけパーツが違うのが付いていた。
カンパで組まれ、ホイールも初期の金色のシャマルウルトラだ…

気が付くと声をかけられていた。
(結構恥ずかしい)
暇潰しにと遠回しに告げて店内の自転車を見学する。
この間も見たコルナゴは今日も輝いていた。
こうして眺めているだけでも楽しかった。
壁に掛かっているフレームは値段を見ると、はいっと買える金額ではない。
完成車のコルナゴはセールでなんとか手が出そうな値段だ。
その黒い本体に山吹色の差し色がなんとも存在感を醸し出していた。
実は黄色が好きであったので、気になっていた。
トップチューブ脇にはデザイン テッド イタリーなんてダサ可愛く書いてあるのも良かった。

「どうだ、やっと買う気になったか?」とにこやかに店長に話しかけられる。
いや、欲しいがデカイ買い物だ。
「4分割なら買えるのですが」
思わず、そんな言葉が出ていた。
「4分割かぁ、それだと店があるか分からないから2分割ならなんとかやれるよ‼」

え、買う流れになってないか、これは…‼

「2分割ですかぁ」と、ため息混じりに言葉を発する。
現実を帯びる話に、その山吹色の車体の前で思わず悶々としていた。
2分割、2分割だと…うん、遣り繰りできなくはない。
だが、手に余らないか。そんな事を頭によぎらせていると、
「買っちまえよ、楽しいぜ‼」
「大丈夫、何かトラブルあったら店に持ってくれば何とかしてやる、後悔はさせないよ。」
なんてにこやかにとどめの一言まで言い放たれる。
実は営業上手いんじゃないだろうか(笑)

悩む私を見て、「その青いラピエールも10速だけど良いよ」と選択肢まで増える始末。
これはいかん、買ってしまう…

悩んだ、気が付くと2時間はたっていた。
営業時間もちょうど終わり、ビール片手に改めて出て来る店長。
そして悩み抜いたあげく出た言葉は

「これください。」

それと共に、プシュッと缶ビールを開ける音が店内に響き渡った。

店長の「毎度~!」の声と共に店を出た私。
右手には、バーエンドキャップ。

左手には、注文書。。。


そんなこんなで、ロードに乗る事になった。

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