晴れときどき猫

~ 平成街道貧脚浪漫譚 ~

平たいペダル族

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購入を決めて引き取りの日にちを決めた。
手間もかかるしと1週間後と決め、のびのびと過ごしているとその週のうちに店長から「出来上がったから取りに来てね」とメールが届く。
予想よりも早かった。

仕事上がりにまたあのショップへ向かう。
ここのところ、何かと自転車で生活が回っている。
通勤で自転車を使っているので変わらないのだが、去年の仕事尽くしの自分からしたらまず想像もできないだろう。

店に到着すると待っていたかのように声を掛けられた。
これだよと案内されて覗くと、周囲を工具やパーツで埋め尽くされた真ん中にそれはあった。
これが私の自転車になるのだ。
いや、本当に私の物なのかとその時も混乱していた。
憧れの自転車が地元でそれもトントン拍子で手に入る。
それは夢のようだった。

「ペダルは持ってきて貰ったの付けたけど、ホントはクリート使った方が楽だよ」
なんて言われてまた悩むも予算がなかったので、しばらくは平ペで先送りにした。

「さて、バーテープなんだけど、跨いでみて手の位置を確認したいから乗ってみて」
と言われてヒョイッと固定ローラーに接続される。
こんなどぎまぎした感触でポジションなんて出るのだろうか。
そう思って跨ぐも、やはり緊張してポジションなんて掴めなかった。

数えて10漕ぎもしなかったと思う。
シートはこのままで少しだけシャクってと告げると、店長も呆気に取られたようだった。
サクッと直してもらい、いよいよテープを巻いて貰う。
「ホントにこれでいいの?」
と、赤いバーテープを手に取り確認する店長。
はいっと気持ち良く伝える。
(店長もこの組み合わせはマクドナルドだろうと思っていたと思うが、その時の私はパンターニだったのだ)

さて出来上がって試走するのだが、やはり感動のが勝っていてフィーリングなんて分かったもんじゃなかった。
だけど、これだけは言える。
軽い、機敏で踏めば踏むだけ前に進む。
何より楽しかった。
これは、病み付きになりそうだ。
店長も言っていた。

ロードは道があれば、何処でも何処までも行きたくなるよって。

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山吹色の車体

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購入してすぐの頃の姿。
頭の中では黄色に赤いバーテープパンターニを思っていたが、今改めて見るとマクドナルド。

3月に会社を変えて以来、古い会社共々同僚との付き合いも落ち着きつつあり、自分の時間が持てるようになってきた。
正直、仕事では業界の片隅でこれ以上名を上げても良い事はないだろうと思い、息抜きの趣味を探して自転車弄りに没頭していた事だった。

8月1日
通勤中にどうやらバーエンドキャップを落としてしまったらしい。
仕事上がり暇だったので、ここのところ通っていたロードショップへエンドキャップを買いに足を運んでみた。
今日も、外にも溢れるほど自転車が止められている。
その自転車を眺めていると一台だけパーツが違うのが付いていた。
カンパで組まれ、ホイールも初期の金色のシャマルウルトラだ…

気が付くと声をかけられていた。
(結構恥ずかしい)
暇潰しにと遠回しに告げて店内の自転車を見学する。
この間も見たコルナゴは今日も輝いていた。
こうして眺めているだけでも楽しかった。
壁に掛かっているフレームは値段を見ると、はいっと買える金額ではない。
完成車のコルナゴはセールでなんとか手が出そうな値段だ。
その黒い本体に山吹色の差し色がなんとも存在感を醸し出していた。
実は黄色が好きであったので、気になっていた。
トップチューブ脇にはデザイン テッド イタリーなんてダサ可愛く書いてあるのも良かった。

「どうだ、やっと買う気になったか?」とにこやかに店長に話しかけられる。
いや、欲しいがデカイ買い物だ。
「4分割なら買えるのですが」
思わず、そんな言葉が出ていた。
「4分割かぁ、それだと店があるか分からないから2分割ならなんとかやれるよ‼」

え、買う流れになってないか、これは…‼

「2分割ですかぁ」と、ため息混じりに言葉を発する。
現実を帯びる話に、その山吹色の車体の前で思わず悶々としていた。
2分割、2分割だと…うん、遣り繰りできなくはない。
だが、手に余らないか。そんな事を頭によぎらせていると、
「買っちまえよ、楽しいぜ‼」
「大丈夫、何かトラブルあったら店に持ってくれば何とかしてやる、後悔はさせないよ。」
なんてにこやかにとどめの一言まで言い放たれる。
実は営業上手いんじゃないだろうか(笑)

悩む私を見て、「その青いラピエールも10速だけど良いよ」と選択肢まで増える始末。
これはいかん、買ってしまう…

悩んだ、気が付くと2時間はたっていた。
営業時間もちょうど終わり、ビール片手に改めて出て来る店長。
そして悩み抜いたあげく出た言葉は

「これください。」

それと共に、プシュッと缶ビールを開ける音が店内に響き渡った。

店長の「毎度~!」の声と共に店を出た私。
右手には、バーエンドキャップ。

左手には、注文書。。。


そんなこんなで、ロードに乗る事になった。

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チェーンリングとショップ

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6月の暮れ、通勤用のママチャリをドロップハンドルにして遊んでいた。
ランドナーだよっ‼なんて言いながらね。
予算は今年の3月にセールで1,7万円で購入して、ハンドル回りはこれも1,8万で済み合計3,5万で出来上がった。
本体の他に、ヘルメットだ鞄だ何だと買えば8~10万はするだろうが、本体が安くすめば越したことにない。
それも、気楽に乗り換えられるママチャリだ。
予算は1,5万円浮いたので他に何かしようと考えていた事だった。

時は7月。
ネットを眺めていると、古いクランクアームだけど1000円で販売していた。
思わず飛び付きママチャリに取り付けるも、やはり歯が少なく直ぐに天上に達してしまう。
これなら買わなくとも良かったかな。
そう後悔もしたが、アームを見ると5つ穴が開いている。
PCDを測ると130…

そう言えば、地元に昔からロードショップがある。
今まで専門店と言うと、敷居が高いと言う勝手な先入観で通いづらかったのだが、何故かその時ばかしはスッと足を運んでいた。

「いらっしゃい」と外で整備をしている店員さんがにこやかに声を掛けてくれるも、忙しそうにまた整備に没頭する。
「こんにちは」と軽く挨拶をして店に入り、一先ず目当てのチェーンリングを探す。
が、何故か気が付けばロードの方へ目移りしていた。

その中にコルナゴがあった。
それもピエールローランもツールで乗っていたM10だ。
それにこっちはアルミのフレームでも良く走ると言うストラーダSLも置いてある。

実は前にも中古で買ったコルナゴを持っていた。
と言ってもスポーツ走行はせずに通勤+カジュアル乗り程度だったが。
だがある日、仕事の際中に盗難にあった。
それ以来、スポーツ車には乗っていない。
コルナゴが好き、何故か?
幼少期にお爺ちゃんが自転車はコルナゴが良いよと言っていたからだ。
ただ、それだけでコルナゴが好きであった。
クローバーのマークもかわいいしね。
ただ、そこで終わっていた。
遠くへは車やバイクなんかで行けてしまう訳で、わざわざ高い自転車を買う、時間を割いて移動に時間をかけるなんて考えられなかった。
日々の通勤で自転車に乗っていたので尚更だった。
そう、この時までは…

ボーッと眺めていると「何かお探しですか?」と声を掛けられ、我に帰りチェーンリングを買いに来たことを伝えると、急かさず案内してくれた。
PCD130でガードに収まるサイズがいい、そんなこんなで48Tを探していたら見付けた。
レジに持っていくと、「いつのか分からないからまけてやるよ‼」と言われ値引きをしてくれた。
このご時世、そんな事をしてくれる店などそうそう無いのだが…それも一見なのに。
間違いがない様にPCDのサイズと使用目的を聞かれて、ママチャリに付けるのでと答えると唖然とされる。
こちらもいろいろと恥ずかしかったのでそそくさと店を後にしてしまった。

帰宅して早速取り付けると、上手い具合にチェーンカバーとのクリアランスも取れていい感じに仕上がった。
走ってみても程よい加速感もあり、通勤がこれでまた一つ楽になった。
使って一週間だろうか、帰宅途中でクランクから「カキッ」と妙な音がしたので見てみると、アームの取り付けた箇所が割れていた。
仕方がないので、寂しいが元のアームに戻す。
つまらないなぁと思いつつ組むと、これにも穴が空いていた。
急かさずPCDを測ると110だった。
使っていたリングは流用できないが、これもリングが取り付けられる。
今月はお小遣いが無かった為に、今度はAmazonでタイオガのリングを購入した。
ホームセンターでボルトを買ってそうそう取り付ける。
やっぱり良い感じだ。
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14日、バーテープを買いにまたショップへ行く。
この日は雨だったがママチャリランドナーで。

入店すると店長とお客さんが会話していた。
邪魔するのも…と思いそそくさとバーテープを手に取り、次いでに650Bのホイールも無いかなと眺める。
すると、「おい、あれどうやった?」と勢い良く飛んで来る声。
あれとはなんだろう。
思わずでビックリするも、チェーンリングと分かりただ取り付けた事を話す。
切り替えは?と聞かれるも、アウターの切り替えは考えてなかったので、そのままなのも教えた。
何やら所ジョージの世田谷ベースのようだと評価してくださり嬉しかった。
販売しているママチャリに販売しているパーツを付けただけだけど。。(笑)

650のホイールは無かった。
やはり、ネットで検索を掛けても販売してないだけあって巷でもまず扱いは無いようだ。
仮に手組で出来たとしても、出先でのパンクやらの運用面を考えると現実的ではない。
素人の貧乏人は、このまま26インチで頑張るしかなかった。

「因みに、ロードは乗らないの?」と言われる…
いや、ロードは確かに面白そうだ、いや面白いだろう。
まだ、面白いけどとどまりでいた。
次いでならこの機会に乗らない?等々言われるも、恥ずかしい話だがまず貧乏人なので予算がなかった。

ロード、ロードねぇ。
乗りたい。